世界を覆うコロナ禍のただ中、ほとんど話題にならなかったが、米ソ首脳は4月25日に「エルベの邂逅」75周年の共同声明を発表した。1945年4月25日、ドイツの首都ベルリンを目指し、東から進軍してきたソ連軍と西から兵を進めたアメリカ軍がベルリンの南約130キロメートル地点、ライプツィヒ近郊のエルベ川西岸で出会い、両軍の兵士は破壊されたエルベ川の橋上で握手した。別々の戦場で戦ってきた両軍兵士が初めて出会ったのだ。両国にとっても、第二次世界大戦史にとっても象徴的な出来事となった。二週間後の5月8日ナチスドイツは無条件降伏し、それから3カ月後の8月8日、ソ連はヤルタ会談での約束通り日本との中立条約を破棄し、満州に攻め込んだのである。
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コラムニスト