アメリカの政治学者イアン・ブレマーが率いるリスク分析コンサルタント会社「ユーラシア・グループ」は1月6日、世界が2020年に直面するであろう最大のリスクに、11月の米大統領選挙を挙げた。統治の仕組みが世界で最も強固だとの確信から国内政治をリスクに上げたことがない同社にとって、極めて異例のことである。米国社会の分断と民主・共和両党の対立が抜き差しならないところまで進んでおり、大統領選の結果がもたらす政治の激突と外交的空白が国際社会を混乱に陥れるだろうという予測だ。
大統領選の混乱といえば、共和党のジョージ・ブッシュと民主党のアル・ゴアが対決した2000年の大統領選挙を思い起こされる方もあるだろう。票の点検と再集計作業から始まった一カ月余の混乱は最終的に連邦最高裁の裁定に持ち込まれ、ブッシュ勝利で決着し、ゴアも敗北を受け入れた。しかしながら、今年はこうした“決着”さえ納得されないだろうと見立てている。
ご購入手続きは「codoc株式会社」によって代行されます
コラムニスト