アメリカが陸軍の一部門として航空部隊を開設したのは1926年7月だ。13年後、第32代大統領フランクリン・ローズヴェルトは「1940年国防法」に署名、航空部隊に3億ドルの予算を配分し、航空機6000機、約3200人の将校と兵員45000人の部隊編成を命じた。当時、航空機産業の先進地はドイツ、イギリス、フランス、イタリアなどだった。アメリカは航空機を発明したライト兄弟の国ながら、軍事面への応用ではヨーロッパ勢の後塵を拝しており、急速な発展が求められていたのだ。
そのアメリカが光明を見出したのはイタリア軍人ジュリオ・ドーエが提唱した航空戦略である。彼は1921年10月に出版した「空の支配(The Command of the Air)で、「航空作戦は敵軍そのものよりも、敵の背後の工業地帯、鉄道網や道路網などのインフラ、都市と産業労働者などを標的にして空爆し、戦う国家意思を挫く方がより効果がある」と主張した。非戦闘員の殺戮を勧める、残虐で野蛮極まりない戦争指南書である。
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コラムニスト