パラダイムシフト──社会や経済を考え直す
CBDC(中央銀行デジタル通貨)の登場

CBDC(中央銀行デジタル通貨)の登場

最近CBDC(中央銀行デジタル通貨)が話題になり始めていますが、この背景には、そもそも誰が通貨を発行すべきかという議論があります。私自身がもともと地域通貨を専門としていることもあり、この連載(過去ログ一覧はこちら)や前の連載(過去ログ一覧はこちら)では、時折通貨制度についての考察を書いてきましたが、今回は誰がお金を発行すべきか、という観点から考えてみたいと思います… [全文を読む]
世界人権宣言と経済

世界人権宣言と経済

さて今回は、一見何の関係もなさそうに見える世界人権宣言と経済の関係について考えてみたいと思います。世界人権宣言は、1948年12月10日に国連で採択されたもので、その後の各種条約(たとえば1966年に採択された国際人権規約や1999年に採択されたグローバルコンパクト)の基盤となっています。全30条、日本語訳では4000字程度という簡潔なものですが、この中に基本的人権の概要がまとめられています。同宣言の採択から70年以上が経過した今では、当時なかった新しい人権の概念が登場しており、多少古い内容である点は… [全文を読む]
社会的連帯経済を推進する15の措置

社会的連帯経済を推進する15の措置

社会的連帯経済の推進においては昨今何かと活発になっているスペイン・カタルーニャ州ですが、同州内の事例のネットワークである XES(Xarxa d’Economia Solidària、シェス)は、市町村レベルでその推進を行うための15の措置に関するパンフレット(カタルーニャ語)を刊行しています。今回はこのパンフレットを読みながら、日本でもできることについて考えたいと思います。なお、社会的連帯経済関係の公共政策という点では… [全文を読む]
社会的経済のパンフレット──ポルトガルから学ぶ

社会的経済のパンフレット──ポルトガルから学ぶ

私が住むスペインと同じイベリア半島にあり、言語的にも文化的にも似た点が多いポルトガルは、地味ながらも社会的経済において、一定のポジションを示しています。以前の連載でもポルトガルは何度か取り上げましたが、今回は社会的経済分野の業界団体であり、協同組合の監督権限も持っている「社会的経済のためのアントニオ・セルジオ協同組合」が最近刊行した社会的経済の実用ガイドをもとに社会的経済について… [全文を読む]
社会的経済法関連のスペインでの最近の動向

社会的経済法関連のスペインでの最近の動向

スペインは世界で初めて、2011年3月に国レベルで社会的経済法が制定された国ですが(当初は全9条、その後特に補助金面で法改正されて現在では全13条。2011年当時の条文の和訳はこちらを参照)、その後2016年には、この全国法とは別にガリシア州で州法が制定されており(全文(スペイン語)はこちら)、またアラゴン州やカタルーニャ州でも州法の制定に向けた動きがあります。これに関して9月12日にバレンシア… [全文を読む]
減価するポイントによる年金支給で経済活性化

減価するポイントによる年金支給で経済活性化

現代貨幣理論(MTT)が日本を含む世界各国で話題になっていることについては、主にその理論的不備の観点から以前こちらでも紹介しましたが、特に年金問題が深刻化している現在の日本の状況を鑑みたうえで、今の日本でも導入できそうな事例について紹介したいと思います。具体的な提案に入る前に、用語の整理をしたいと思います。お金(貨幣や通貨という単語でも基本的に同じ意味)とポイントは似たような概念ですが、両者の… [全文を読む]
通貨制度が今後激変?

通貨制度が今後激変?

最近、現在の通貨制度を揺るがしかねないさまざまなニュースが報道されています。ユーロ圏内のイタリア政府が発行を検討しているMini-Bot(英語)、ブラジルとアルゼンチンの統一通貨構想(日本語記事)、西アフリカ諸国15か国の間で来年導入予定の統一通貨ECO(日本語版記事)、Facebook主導で来年にも導入が予定される仮想通貨リブラ(日本語版)のように、新通貨関係のニュースが数多くマスコミを騒がせています。これらのニュースについて、できるだけ政治的な意味合いを除外したうえで、これらのニュースが今後の世界に… [全文を読む]
移民向けの社会的連帯経済を考える

移民向けの社会的連帯経済を考える

6月8日(土)にバルセロナ市内サンツ地区にあるカン・バトリョーで、第1回移民と多様性の連帯経済見本市が開催されました。この会場となったカン・バトリョーは、もともと繊維工場の跡地で、5月15日運動の余波が残っていた2011年6月11日に地域住民らによりスクワット(占拠)され、各種社会運動や連帯経済などに向けた活動拠点としての自主運営が行われています。5月の記事でバルセロナは連帯経済が盛んだと… [全文を読む]
現代通貨理論と主権通貨(ポジティブ・マネー)との違い

現代通貨理論と主権通貨(ポジティブ・マネー)との違い

さて今回は、最近話題になっている現代通貨理論(Modern Monetary Theory)と、私がこの連載または以前の連載「廣田裕之の社会的連帯経済ウォッチ」で取り上げてきたポジティブ・マネーの通貨改革(以下「主権通貨」)の間の違いについて、「主権通貨」という本を刊行しているドイツの研究者ヨーゼフ・フーバー氏のサイトの記事を参照しながら、紹介したい… [全文を読む]
カタルーニャにおける協同組合の伝統

カタルーニャにおける協同組合の伝統

4月5日(金)から7日(日)にかけて、スペイン・カタルーニャ州の州都バルセロナ市内で、来年開催される予定の変革型経済世界社会フォーラムに向けた準備会議が開催されました。準備会議とはいえ、48か国から350名が参加するという大規模なもので、有機農業/食糧主権、フェミニスト経済、コモンズと社会的連帯経済の4分野を取り上げ、数万人単位の来場が見込まれる来年5月の本会議に向けた議論が行われました… [全文を読む]
資本主義と自由競争の違い

資本主義と自由競争の違い

さて今回は、ある意味で経済における根本的な問いかけをしたいと思います。私たちは資本主義という単語をよく使う割には、その本来の意味を踏まえていないことが少なくありません。ですので今回は、資本主義が何か再定義したうえで、その構造上の問題を検討してみることにしましょう。よく資本主義を単なる金儲けと誤解する人がいますが、これは違います。確かにアリストテレスが「政治学」で家庭の経営(現在でいうところの経済学・家政学)と金儲けの技術(現在でいうところの… [全文を読む]
ベルナルド・リエター氏を偲んで

ベルナルド・リエター氏を偲んで

今回は、残念ながら訃報をお届けしなければなりません。補完通貨(地域通貨)の分野で世界の第一人者であり、来日経験も豊富で世界各地で講演を行っており、著書のうち2冊が邦訳されるほどだったベルギー出身のベルナルド・リエター氏が、2月4日にドイツで亡くなられました(7日に77歳の誕生日を迎えるところだった)。個人的に私が故人にかなりお世話になっていたこともあり、今回は通貨制度の改革を通じてより持続可能な… [全文を読む]
社会的連帯経済は右か左か?

社会的連帯経済は右か左か?

さて今回は、一昨年までの連載で取り上げてきた社会的連帯経済が、右と左のどちらに属するのかについて考えてみたいと思います。意外に思われるかもしれませんが、どの勢力が右翼でどの勢力が左翼かは、時代や国により異なっています。たとえばフランス革命直後は、できるだけ穏健かつゆっくり社会改革を進めようとするジロンド派が右派である一方、革命前の貴族やカトリック教会による支配に反対し、市民社会による統治を徹底しようと考えたジャコバン派が… [全文を読む]
キューバにおける協同組合の展開

キューバにおける協同組合の展開

明けましておめでとうございます。今年もこの連載をよろしくお願いいたします。さて、前回に引き続き、今回も私のもともとの専門である社会的経済について取り上げます。折しも本日(2019年1月1日)はキューバ革命60周年ということもあり、最近同国の協同組合について刊行された、その名も「キューバにおける協同組合運動」という研究書の内容を紹介したいと思います。キューバでは革命以降、カストロ兄弟(フィデル… [全文を読む]
欧州における社会的経済の最新動向

欧州における社会的経済の最新動向

昨年までの私の連載では、社会的連帯経済について幅広く紹介してきましたが、社会的連帯経済についてはその後も発展が続いており、最近「EUにおける社会的経済の最近の進化」(全文英語版)(要約英語版)と題された報告書が発表されています。今回はこの報告書から、欧州における動向をお伝えしたいと思います。EUにおいては、すでに「EUにおける社会的経済」という報告書が2012年に刊行されていますが、本報告書では… [全文を読む]