書名:鄭烱明詩集 抵抗の詩学
著者:鄭烱明
訳者:澤井律之
発行:集広舎(2021年04月15日)
判型:A5判/並製/224ページ
価格:2,700円+税
ISBN:978-4-86735-004-1 C0098
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紹介
ぼくは疲れ果てていた
でも不安定で悲惨な
この世界で
眠ってはいられない
第一詩集『帰途』「子守歌」より
台湾の過去と現在、そして世界を、透徹した知性が直視する。
その不滅の魂は決して飛翔をやめない。
鄭烱明自選アンソロジー、初の邦訳。
目次
一 帰途(1971)
子守歌 14
蚊 16
アイロン 18
物乞い 19
ぼくは思考する鳥である 20
黄昏 22
シャツ 23
5月の匂い 24
誤解 25
二 悲劇の想像(1976)
言葉よりも恐ろしい武器はない 28
絶食 29
犬 31
隠れた悲しみ 33
悲劇の想像 37
蝉 38
理解 40
祈り 42
狂人 44
演説者 46
幻影 48
声 50
三 芋の歌(1981)
芋 52
帽子 55
放生 57
ホトトギスの巣の断想 59
ある人 61
独裁者へ 63
晴れた空―詩人陳千武へ 65
落とし穴 68
目撃者 70
ある男の観察 72
ある女の告白 75
暗闇の問答 78
四 最後の恋歌(1986)
許しておくれ 82
選択 84
死の招き 86
もしも 88
耳を澄まして 91
旅 93
どうしても 95
綱渡り 97
最後の恋歌 99
失踪 102
真相 105
問い 106
王船祭 108
童話 112
スローガン 114
深い谷 116
五 三重奏(2008)
蝙蝠 120
雲に 122
葬送 123
人がひしめくこの島で 125
異なる空 127
閲兵 129
雪 131
父 133
三重奏 135
名前 139
六 凝視(2015)
凝視 142
不朽の魂 144
声 147
詩人の死 149
自分に 151
天空の幕 153
七 死の思考(2018)
無題 156
悩み 158
隠喩 160
恐れ 163
おれの頭はおれのもの 166
沈黙 169
死の印 171
死の余聞 173
死の背中 175
死の列車 177
八 未収録作品
台湾 ぼくの母 182
終着駅 185
きみのことを想うとき 187
ぼくの想いは単純なものだ 189
身体検査 191
あとがき 193
鄭烱明年譜 197
解説 203
初出一覧 211
著者プロフィール
鄭烱明(テイ・ケイメイ Cheng Chiung-Ming)
1949年台湾高雄生まれ。医師(2014年退職)。主な詩集に『帰途』(笠詩社 1971)、『悲劇の想像(悲劇的想像)』(笠詩刊社 1976)、『芋の歌(蕃薯之歌)』(春暉出版社 1981)、『最後の恋歌(最後的恋歌)』(笠詩刊社 1986)、『三重奏』(春暉出版社 2008)、『凝視』(春暉出版社 2015)、『死の思考(死亡的思考)』(春暉出版社 2018)、『存在と凝視(存在与凝視)』(春暉出版社 2019)がある。
澤井律之(サワイ・ノリユキ)
1956年大阪府生まれ。神戸大学大学院博士課程修了。現在、京都光華女子大学教授。主な訳書に、葉石濤『台湾文学史』(共訳 研文出版 2000)、鍾理和他『客家の女たち』(共訳 国書刊行会 2002)、彭瑞金『台湾新文学運動四〇年』(共訳 東方書店 2005)、鍾肇政『怒濤』(研文出版 2014)がある。