集広舎の本

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」

中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」

文革50周年記念出版

書名:中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」
副題:崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態
英文タイトル:
The biographies of victims and a chronological table of the Proletarian Cultural Revolution in China : A history of the lofty slogans, the horrific human suffering inflicted and their disastrous consequences
共編共著:王友琴 小林一美 安藤正士 安藤久美子
判型:A5判上製 586ページ
定価:本体4,950 円+税)
ISBN 978-4-904213-47-6 C1022

アマゾンで購入7ネットで購入紀伊国屋書店で購入TSUTAYAで購入hontoで購入Honya Clubで購入楽天ブックスで購入e-honで購入

第1部
100万人を単位にしては、歴史は分からない。アメリカ在住の歴史家王友琴女史等が描く「文革犠牲者」の記録。1人1人の悲劇的運命から文革全体の真実、独裁政治の本質を問う。

第2部
「中国現代史年表」作成に全生涯をかけた安藤正士、久美子夫妻の記念碑的業績《文革大年表》を今、世に問う。

一党専制下の独裁政治、専制体制は、必ず大きな誤りを犯しますが、独裁者・党軍高官はそれを隠蔽し、その責任を問われることに恐怖し、ますます独裁の度を強化し、最後に「一大破局」の地獄に国家・人民を陥れるものです。中国の毛沢東と党の「誤り」とは、中央革命根拠地時代の八万人にも及ぶ同志粛清=AB団粛清に始まり、建国直後の「大量処刑」と「三、四〇〇〇万人の餓死者」を出した大飢餓事件です。この党の大失政に対して、知識人・教育者から、大きな不満・批判が起こり、体制を揺るがし始めました。この地獄絵図の責任に対して、最高権力者・毛沢東と党官僚には、内部に決定的な対立を内包しつつも「文革」に打って出る以外の道がなくなりました。(本文より抜粋)

■目次
「日本の読者へ」(王友琴)
まえがき「文化大革命五〇周年」を記念して(小林一美)             
第一部 「文革受難者伝」(翻訳者・小林一美)
 第一章  王友琴『文革受難者』への序文・「記憶を救 い出す偉大な事業」(余英時)
 第二章  王友琴『文革受難者』―迫害、監禁と殺戮に関する訪問実録―』「前言」(王友琴) 
 第三章  卞仲耘―女子生徒に惨殺された北京師範大学付属女子中学副校長の無惨な最後(王友琴) 
 第四章  黄瑞五―紅衛兵に一家五人が虐殺された北京の高級技術者(王友琴)
 第五章  劉少奇―毛沢東に打倒され、悲惨な最期を遂げた国家主席(王友琴)
 第六章  林昭―文革受難者を象徴する人物として最も有名な元北京大学女子学生(小林一美)
 第七章  顧文選―迫害に継ぐ迫害の後、銃殺刑にされた北京大学の学生(王友琴)
 第八章  翦伯贊―著名な中国古代史家、北京大学教授、妻と二人で抗議の自殺(王友琴)
 第九章  江隆基―著名な教育学者、北京大学副学長、蘭州大学学長の自殺(王友琴)
 第十章  林立衡―林彪の娘に起因する北京大学幹部たちの悲劇(王友琴)
 第十一章 ある帰国華僑青年の死―「その死の軽きこと鴻毛のごとき人」への弔辞(江女)
 第十二章 文革の狂瀾怒涛の中の知識人(裴毅然)
 第十三章 「北京大学、清華大学、復旦大学、上海華東師範大学、西安交通大学の文革受難〈死者〉
      一覧表」
第二部 『文革大年表』(一九六五年~一九八一年)(編集作成:安藤正士、安藤久美子)
 解説・「文革大年表」について(安藤久美子)
 文革大年表(編集作成:安藤正士、安藤久美子)
あとがき (小林一美、安藤久美子)
共編著者略歴

共編著者略歴
 
■王友琴(おう ゆうきん Wang Youqin)
1952年生れ。女性、北京師範大学付属女子中学で紅衛兵運動に遭う。両親が迫害され、出身階級が悪いとされ、17歳で妹と共に雲南省に6年間下放さる。後、北京大学中文系に合格、社会科学院で博士号取得の後、アメリカにわたり、スタンフォード大学、シカゴ大学で教鞭をとり、文革の実態調査と歴史研究を続ける。
著書:①《校­園随­筆­》,随­筆­集。北京,北京出版社,­1988­年。②《­魯迅和中国­現代文化震­動》,博士­論文。­簡体字本,­長­沙:湖南教育出版社,­1989­年。繁体字本,台北:水牛出版社,­1991­年。③《文革受­難者:関於迫害、­監禁和­殺戮的­尋訪実録­》,香港:開放出版社,­2004­年。論文:《恐怖的­紅­八月》,刊­載於《炎黄春秋》­雑誌­2010­年第十期,北京。《文革“闘争会”》(­上­)(下),刊­載於《領導者》双月刊,­2013­年第五和第六期,北京­/­香港。《摧­毁­日­記­的革命》,刊­載於《領導者》双月刊,­2015­年第五期,北京­/­香港。(日本­東北大学佐竹保子教授已­経­把此文翻訳­成日文。)他英文論文を含め­10­数編を発表。 他に評論、インタビュー記事、雑感等多数。
 
■小林一美(こばやし かずみ)
1937年長野県に生れる。東京教育大学文学部史学科卒業、同大学文学研究科博士課程単位取得満期退学、中国史専攻、神奈川大学名誉教授。主要著書に『増補・義和団戦争と明治国家』(汲古書院、2008年)、『中華世界の国家と民衆』(上下、汲古書院、2008年)、『M・ヴェーバ—の中国社会論の射程』(研文出版、2012年)、『中共革命根拠地ドキュメント』(御茶の水書房、2013年)等々がある。
 
■安藤正士(あんどう まさし)
1936年横浜市に生れる。1961年東京教育大学文学部史学科卒業。1969年東京大学大学院社会学研究科博士課程国際関係論専攻単位取得退学。中国現代史専攻。筑波大学名誉教授。著書に『現代中国年表1941—2008』(岩波書店、2010年)、『文化大革命と現代中国』(岩波新書、共著)、『中国近現代史の諸問題』(共著、国書刊行会)。編著に『原典中国現代史、第8巻』の『日中関係』(共編、岩波書店)、『新中国資料集成』『現代中国の国際関係』(以上、日本国際問題研究所)等々がある。2014年死去。
 
■安藤久美子(あんどう くみこ)
1941年東京都に生れる。戦中戦後を高知県の山中で過ごす。11歳のとき千葉県に移住。1963年3月、日本女子大学史学科卒業。1967年3月、東京教育大学東洋史専攻修士課程終了。同年4月、千葉県船橋市立習志野台中学校教諭就任。在職3年、退職後35年間個人学習教室教師。この間一時、日本女子大学史学科非常勤講師。著書に『孫文の社会主義思想』(2013年、汲古書院)等々がある。

書評

朝日新聞『中国文化大革命「受難者伝」と「文革大年表」 崇高なる政治スローガンと残酷非道な実態』

関連記事