集広舎の本

ウイグル詩史

ウイグル詩史 - 書影

書名:ウイグル詩史
著者:萩田麗子
発行:集広舎
発売日:2023年12月8日
製本 :あじろ並製/A5縦/362ページ
ISBN:978-4-86735-046-1 C0098
価格:2,727円(税込3,000円)

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ウイグルの魂を知るための旅へ

シルクロードに生き続けたウイグルの詩は草原を駆け、砂漠を渡り、歴史の息吹を伝えた

詩は言葉でかたどられた酒杯になみなみと注がれた酒のようなもの

紀元前からウイグル人の祖先は詩を詠んでいた。その詩はメロディーに乗って人々の口から口へと伝えられ、彼らがまだ文字を持っていなかったときに、漢語に翻訳されて書物に記録された。
この、漢語に翻訳された詩、勅勒歌をスタートラインに置き、二十一世紀に至るまで途切れることなく受け継がれてきたウイグルの詩の流れを追いながら、ウイグルの魂を知るための旅をすることにしたい。(本書「はじめに」より)

目次

はじめに
第一章 古代
 一 勅勒歌
 二 匈奴歌
 三 石碑に彫られた詩
  附録1/翻訳 トニュクク碑文
第二章 西ウイグル国(天山ウイグル国)の時代
 一 古ウイグル語による仏典翻訳
 二 頭韻詩の出現
 三 英雄叙事詩 オグズ・ナーメ
  附録2/翻訳 オグズ・ナーメ
第三章 カラハン朝の時代
 一 クタドゥグ・ビリグ(幸福になるための知識)
 二 テュルク諸語集成
第四章 古典詩の時代
 一 チャガタイ語について
 二 詩型 ガザル
 三 テュルク語の中で生まれた古典詩 トゥユク
 四 ウイグルのムカムについて
 五 古典詩の時代の詩人たち
第五章 現代詩への扉を開けた詩人たち
 一 アブドゥハリク・ウイグル
 二 ニムシェヒト
 三 ルトゥプッラ・ムテッリプ
 四 アブドゥレヒム・オトキュル
第六章 ウイグルの民俗詩 コシャクの世界
 一 コシャクのかたち
 二 人生を詠んだコシャク
 三 歴史を詠んだコシャク
 四 詩人たちが詠んだコシャク
 五 現代のコシャク
後書き
参考とした主な資料
索引

著者略歴

萩田麗子(はぎた・れいこ)
1950年、熊本県生まれ。1983年、東京外国語大学大学院修士課程アジア第二言語科修了。1988 – 1989年、カラチ大学(パキスタン)留学。1994 – 1995年、新疆大学留学。専攻、古典詩研究。訳書に『ウイグル十二ムカーム』(集広舎、2014年)、『ウイグルの地の弥勒信仰』(集広舎、2021年)など。著書に『ウイグルの荒ぶる魂──闘う詩人アブドゥハリク・ウイグルの生涯』(高木書房、2016年)など。