集広舎の本

中国社会・遊戯図譜

書影

書名:中国社会・遊戯図譜
副題:清末の絵入雑誌『点石斎画報』で読む 庶民の「せけん」と{あそび」
著者:相田 洋
発行:集広舎
発売日:2024年05月10日
製本:並製/B5変型/294ページ
ISBN:978-4-86735-043-0 C0036
価格:3,800円+税

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紹介

「結婚式のコンパニオンは美女ぞろい」
「首を斬った死刑囚から抱き着かれてショック死した首切り役人」
「ギャンブル狂の亭主に下着まで売り払われた女房」など、
清末の風俗画報『点石斎画報』をもとに、
旧中国の庶民の世界を活写する!

中国庶民の人生・政治・遊びなど五十七項目について詳しく解説した民俗図鑑
立花隆氏が絶賛した『中国妖怪・鬼神図譜』の著者による待望の続々々編

本書は、先に刊行した『中国妖怪・鬼神図譜』、及び『中国生業図譜』・『中国生活図譜』の続巻である。タイトルは前書と共に苦し紛れの命名で、あくまで便宜的なものだ。なお前書と同じく、一般に知られているものは簡単に、知られていないものは詳しくを、方針とする。
先ず『点石齋画報』全般の説明をしておくが、これは前三書と同様に『中国妖怪・鬼神図譜』の記述をほぼそのまま引用しておく。『点石齋てんせきさい画報がほう』(以下、『画報』と略称する)は、清末の光緒こうちょ十年四月(一八八四年五月)に創刊され、光緒二十四年八月(一八九八年八月)に、五二八号をもって終刊となった、十日(旬)毎に発売された絵入りの旬刊紙じゅんかんしである。発行元は、上海の中国語新聞『申報しんぽう』の発行元である申報館。内容は、清仏戦争や日清戦争などの時事もの・文明開化で輸入されたテクノロジー・海外の不思議な習俗から、中国国内の市井のゴシップ・妖怪や幽霊に関する噂話まで、世紀末中国のパノラマのように、「ありとあらゆるもの」(武田雅哉)が取り上げられている。

目次

Ⅰ 人生行路
一 祈子(きし)(子供の誕生祈願)
二 妊娠・出産
三 三朝(さんちょう)・満月(まんげつ)・周(しゅう)歳(さい)(新生児の儀式) 
四 寄名(きめい)(幼児を神仏などに託する習俗)
五 童装(子供の装い)
六 婚礼
七 伴娘(ばんじょう)(結婚式のコンパニオン)
八 鬧房(どうぼう)(初夜の新郎新婦をからかう習俗)
九 搶(そう)親(しん)(暴力的手段による挙式)
十 冲喜(ちゅうき)(厄払いの結婚)
十一 寿誕(じゅたん)(老人の誕生祝い)
十二 葬礼
十三 墳墓 
十四 翁仲(墓道に置く石人)
十五 冥銭(あの世の通貨)
十六 停(てい)棺(かん)(棺桶を埋葬しない風習)

Ⅱ 官場(官界)
十七 督撫(とくぶ)(特等地方官)
十八 両司(上級地方官)
十九 道員(中級地方官)
二十 知県(下級地方官)
二十一 胥吏(しょり)(下級事務官)
二十二 幕客(ばくきゃく)(地方長官の私設高級顧問)
二十三 衙役(がえき)(地方官庁の雑役夫)
二十四 家人(地方長官の家の子・郎党)
二十五 地(ち)保(ほ)(治安維持や租税徴収業務を行う民間人)
二十六 監獄
二十七 劊子手(かいししゅ)(首斬り役人)
二十八 仵作(ごさく)(検屍人)
二十九 訟師(しょうし)(裁判請負人)
三十 科挙(官吏採用試験)

Ⅲ 遊戯
三十一 百戯
三十二 水(すい)嬉(き)
三十三 鼠戲(そぎ)
三十四 猴戲(こうぎ)
三十五 闘鶏 とうけい
三十六 闘蟋蟀 とうしつしゅつ
三十七 傀儡戯(かいらいぎ)
三十八 囲碁・象棋(ご・しょうぎ)
三十九 捉迷藏(そくめいぞう)
四十 老鷹捉(ろうようそく)小鶏児(しょうけいじ)
四十一 抓子児(そうしじ)
四十二 地軸(ちじく)・空(くう)竹(ちく)・陀螺(だら))
四十三 風(ふう)筝(そう)
四十四 転盤
四十五 石戦戯(せきせんぎ)
四十六 賭博(とばく)
四十七 犬・狗
四十八 猫
四十九 鴿(こう)
五十 鸚鵡
五十一 画眉鳥
五十二 金魚
五十三 売(ばい)野(や)人頭(じんとう)
五十四 進香
五十五 撲蝶戲 
五十六 闘(とう)草(そう)
五十七 賞(しょう)花(か)

著者プロフィール

相田 洋(ソウダ ヒロシ)
1941年、中華民国張家口に生まれる。福岡教育大学教授、青山学院大学教授を経て、現在、福岡教育大学名誉教授。著書『中国中世の民衆文化』(中国書店)、『異人と市境界の中国古代史』『橋と異人 境界の中国中世史』『シナに魅せられた人々 シナ通列伝』(ともに研文出版)『中国妖怪鬼神図譜 清末の絵入雑誌「点石斎画報」で読む庶民の信仰と俗習』ほか