書名:アップデートされた「反日」の法則
著者:安江伸夫
発行:集広舎
発売日:2024年09月04日
製本:並製/A5判/432ページ
ISBN:978-4-86735-051-5 C0031
価格:2,700円+税
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紹介
福島原発処理水・尖閣問題・反スパイ法……
中国の新たな「反日」を看破れ!
中国はもう甘くない
融和と緊張の狭間で我々を翻弄し、米国に比肩するまでに成長した中国
彼らは日本を利用し、日本を乗り越え、いま日本を取り込もうとしている!
中国式新秩序を許してはならない!!
「これからの中国」に対抗する手段とは?
冷戦後の中国の外交手口を知り尽くした筆者が教える、対「反日2.0」の決定版
目次
はじめに 現在地
第一篇 中国の「パワー外交」と影
第一章 強国を築いたモチベーション
1 「米国」と併存する「華夷秩序」
2 国家安全、反スパイ法 ―― 転覆圧力は内外から
3 「抗日」が束ねた「バラバラの砂」
第二篇 反日暴動は胡錦濤時代に ―― 日中を動かす法則
第二章 米中関係が日中関係を決める
1 「西方」と「東方」のあいだの日本
2 日本の重要度は変転する
3 米中双方のカードになる日本
4 「台湾」は日米中のカードに
5 衝突 ―― 韓国、オーストラリア、カナダと日本の違い
第三章 「力の差」が日中関係を動かす
1 一九九二年/市場経済化、貧しかった中国が日米の間隙を突く
2 二〇一〇年/尖閣で衝突、日本を追い越した中国「次は米国だ」
3 二〇一六年/GDPが六割に達した中国を蹴落とす米国
第四章 変遷した牽制 ―― 価値観、国際政治の主導権、国益と権益
1 「衝突」か「融和」か ―― 因果関係と分かれ目
2 価値観 ―― ナショナリズムから国際秩序理念へ
3 国際政治の主導権 ―― 日中二国間から米中対立にぶら下がる日中へ
4 国益・海洋権益 ―― リスクを払って奪取するか
第五章 対日政策を動かすプレーヤー ―― 指導者・反主流派・民衆
1 指導者がコントロールする抗日・反日
2 反主流派が抗日・反日で指導者を揺さぶった
3 民衆の抗日・反日は権力者の顔を見て
4 メディア ―― 政治プレーヤーとしての抗日・反日
5 権力闘争が共振、改善と暗転を繰り返した「日中」
第三篇 台頭する中国の「仮面」を見ていた日米
第六章 中国の対日政策 ―― 重要会議に見る「遷移」158
1 日本は突破口、米国に接近し認知させた《一九九二 ― 一九九八》
2 米国秩序の中心に。外へ発言力、内から揺さぶり《一九九八 ― 二〇〇六》
3 五輪を意識した西側融和。裏で「中国式」が進む《二〇〇六 ― 二〇〇九》
4 「日本を超える」 ―― 脆弱な政権の日中が二度衝突《二〇〇九 ― 二〇一二》
5 米国との対立が必然に ―― 日本と関係改善《二〇一三 ― 二〇一七》
6 米中対立 ―― 習近平の強国、トランプのポピュリズム《二〇一七 ― 二〇一九》
7 コロナ禍 ―― 対面なき国際関係を感情が支配《二〇二〇から》
8 民主主義VS権威主義 ―― 国家グループ対決《二〇二一から》
第七章 米国はなぜ中国の民主化に失敗したか
1 クリントン政権/中国WTO加盟、米国主導のグローバリズムへ
2 ブッシュ政権/反テロ戦争。中国に協力を求め蜜月に
3 オバマ政権/米中G2構想を転換。中国を警戒、アジア回帰へ
4 トランプ政権/米中対立、中国の発展阻止で牽制を乱発
5 バイデン政権/民主主義と繁栄を守る。対中牽制と協力と
第八章 ウクライナ戦争 ―― 日米中は流動化する世界の中に《二〇二二》
1 五輪外交的ボイコットが中国・ロシアを遠ざけた
2 ウクライナ侵攻 ―― ロシアは中国の「反面教師」
3 習近平三期目 ―― 中国式ウクライナ和平案
第九章 日本の対中政策を世界が見守る
外交青書などにみる日中関係の位置づけ
1 外交の主要な柱の一つ《一九八二 ― 一九九八》
2 最も重要な二国間関係の一つ《一九九八 ― 二〇〇六》
3 戦略的互恵関係《二〇〇六 ― 二〇一〇》
4 戦略的互恵関係+国際社会の懸念事項《二〇一一 ― 二〇二二》
5 建設的安定的日中関係+最大の戦略的な挑戦《二〇二二から》
おわりに 「知らないもの同士」の向き合い
参考文献・註・索引
著者プロフィール
安江 伸夫(ヤスエ ノブオ)
1957年、東京都出身。元テレビ朝日北京支局長。北京留学中に天安門事件(1989年)に遭遇。1990年~1995年に特派員として北京に駐在。この間、冷戦構造とソ連の崩壊、計画経済から市場経済へ、ネットの誕生をウォッチ。中国も豊かになれば民主化し米国のようになるというユートピアが信じられた時代から中国の変化を取材し続けてきた。現在もテレビ朝日で生の帯番組(グッドモーニング、モーニングショー、ワイドスクランブル)の制作に携わる。日本大学大学院総合社会情報研究科講師(「国際メディア論」担当)。著書に『習近平政権の言論統制』(2014年蒼蒼社、共著)『中国ネット最前線』(2011年蒼蒼社、共著)など。