集広舎の本

中国生活図譜

中国生活図譜/書影

書名:中国生活図譜
副題:清末の絵入雑誌『点石斎画報』で読む庶民の“くらし”
著者:相田 洋
発行:中国書店
発売日:2024年01月11日
製本:並製/B5変型/280ページ
ISBN:978-4-86735-042-3 C0036
価格:3,800円+税

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紹介

 本書は、先に刊行した『中国妖怪・鬼神図譜──清末絵入り雑誌「点石齋画報てんせきさいがほう」で読む庶民の信仰と俗信―』(集広舎、2015)及び『中国生業図譜』(集広舎、2021)の続編である。主に中国の暮らし遊びを取り挙げることにする。なお知られていないものは詳しくを、方針とする。中には、いささか力がいりすぎて詳しくなりすぎている項目もあるが、折角書いて削るのも惜しいので残しておく。もっとも、あまり長すぎるのはやはり拙いので、多少は削ったものもある。
 先ず『点石齋画報』全般の説明をしておくが、これは前書『中国妖怪・鬼神図譜』の記述を踏襲し、ほぼそのまま引用しておく。『点石齋画報』(以下『画報』と略称する)は、清末の光緒こうちょ十年四月(一八八四年五月)に創刊され、光緒二十四年八月(一八九八年八月)に、五二八号をもって終刊となった、十日(旬)毎に発売された絵入りの旬刊紙じゅんかんしである。発行元は、上海の中国語新聞『申報しんぽう』の発行元である申報館。内容は、清仏戦争や日清戦争などの時事もの・文明開化で輸入されたテクノロジー・海外の不思議な習俗から、中国国内の市井のゴシップ・妖怪や幽霊に関する噂話まで、世紀末中国のパノラマのように「ありとあらゆるもの」(武田雅哉)が取り上げられている。

目次

Ⅰ 衣
[一]衣・裳(ツーピース)
[二]深衣(初期のワンピース)
[三]袍(長衣)
[四]襦(短衣) 
[五]襖(あわせの短衣)
[六]衫(ひとえの長衣)
[七]褂(外に羽織る外衣)
[八]坎肩(チョッキ)
[九]旗袍(チャイナドレス)
[十]■(ズボン)
[十一]裙(スカート)
[十二]内衣(下着) 
[十三]帽(ボウ)
[十四]髪式(髪型)
[十五]鞋・靴(クツ)

Ⅱ 食
[十六]ウシ
[十七]ヒツジ
[十八]ブタ
[十九]イヌ
[二十]ウマ
[二十一]ロバ
[二十二]ニワトリ
[二十三]アヒル
[二十四]ネズミ
[二十五]ヘビ
[二十六]カエル
[二十七]スッポン
[二十八]コイ
[二十九]カニ
[三十]ヒシ
[三十一]クリ
[三十二]マクワウリ
[三十三]スイカ
[三十四]ウメ
[三十五]ラッカセイ

Ⅲ 住
[三十六]三間房子 (三間の家)
[三十七]滾地龍(掘っ立て小屋)
[三十八]二階建て長屋風店舗
[三十九]屋頂(屋根)
[四十]封火牆(ウダツ)
[四十一]臥室(寝室)
[四十二]牀(ベット)
[四十三]椅・■(テーブル・イス)
[四十四]溲瓶(シビン)
[四十五]馬桶(便器)
[四十六]唾壺(タン壺)
[四十七]厨房(台所)
[四十八]井戸
[四十九]厠(便所)
[五十]灯火(明かり)
[五十一]■(オンドル)

Ⅳ 家庭
[五十二]累世同居(数世代同居する大家族)
[五十三]均分相続(家産均等分割)
[五十四]妻・妾
[五十五]纏足(女性の足に加える身体加工)  
[五十六]惧内(恐妻家)
[五十七]売休・租妻・典妻(妻の売買・賃貸・質入れ)
[五十八]贅壻・接脚夫・招夫養夫(入り婿)
[五十九]童養(結婚前に婚家で養われる嫁)
[六十]溺女(嬰児殺害)
[六十一]離婚
[六十二]寡婦(未亡人)

著者プロフィール

相田 洋(ソウダ ヒロシ)
1941年、中華民国張家口に生まれる。福岡教育大学教授、青山学院大学教授を経て、現在、福岡教育大学名誉教授。著書『中国中世の民衆文化』(中国書店)、『異人と市境界の中国古代史』『橋と異人──境界の中国中世史』『シナに魅せられた人々──シナ通列伝』(ともに研文出版)『中国妖怪鬼神図譜──清末の絵入雑誌「点石斎画報」で読む庶民の信仰と俗習』ほか。