集広舎の本

新刊案内/ウイグル十二ムカーム──シルクロードにこだまする愛の歌

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ウイグル十二ムカーム

シルクロードにこだまする愛の歌

著者:萩田麗子
発行:集広舎
A5判並製/256頁
定価:本体2,000円+税
10月25日発売
ISBN 978-4-904213-22-3

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シルクロードの響き。
いま中国との領土・民族問題に揺れるウイグル。
その歴史を、美しい音楽文化の伝統からしずかに見つめ直す一冊。

目次紹介
ムカーム翻訳 第一 ラーク / 第二 チャッバーヤート /第三 スィガー / 第四 チャハールガー / 第五 パンジガー / 第六 オズハール / 第七 アジャム /第八 ウッシャーク / 第九 バーヤート / 第十 ナワー / 第十一 ムシャーワラク / 第十二 イラーク / アービチャシュマ
解説 Ⅰ 十二ムカームの成立 / Ⅱ 十二ムカームの名称と曲名 / Ⅲ 十二ムカームの歌詞 / Ⅳ 詩人紹介
音楽解説(若林忠宏)
一 ウイグル・ムカームのシルクロード〜西アジア民族音楽に於ける立場、性格について
二 ウイグル・ムカームに用いられるウイグル民族楽器

12mucamu02 伝統楽器のオーケストラによる組曲(2005年ユネスコ無形文化遺産登録)。すべて演奏すると24時間かかると言われている壮大な楽曲は、ウイグル民衆の中で誕生、16世紀にシルクロードで栄えた国の宮廷で洗練され、音楽と詩と舞踊の総合芸術となった。日本人がどこか憧れてやまないシルクロードに500年こだました愛の詩、初の完全翻訳。

 十二ムカームの歌詞は44人の詩人の詩から採られている。詩人たちの生きた時代は15世紀初めから19世紀までの長きにわたっており、職業詩人のほか、王侯貴族、政府高官、役人、学者、托鉢僧、楽師、教師と、その社会的地位はさまざまである。天寿を全うした者もいれば権力闘争に巻き込まれて命を落とした者もいる。さらには、社会改革を詩で訴えて処刑された者もいる。当時の「詩」というものが、社交の道具、詠む者や聴く者の心に慰めを与えるものとしての役割のほかに、更に深く人々の人生に関わりを持っていたことがうかがえる。

著者略歴/萩田麗子(はぎた・れいこ)
熊本県生れ。1983年、東京外国語大学大学院修士課程アジア第二言語科修了。1988〜89年、カラチ大学(パキスタン)留学。94〜95年、新疆大学(中国)留学。専攻:古典詩研究。

出版記念講演会(十二ムカーム映像上映予定)開催のお知らせ

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