台湾史小事典〔第三版〕
監修/呉密察
編著/遠流台湾館
日本語版編訳/横澤泰夫
発行日/2016年11月05日
菊判変型ビニール装/384ページ/本体2,800円+税
発行/中国書店 ISBN978-4-903316-52-9 C1533
麗しの島、台湾──。苦悩と自立の歴史。
原著は、李登輝政権下、中学生用歴史教科書『認識台湾・歴史篇』の副読本として生まれた。日本語版第一版では(原著にない)一九九五年から二〇〇六年六月までを、増補改訂版ではさらに二〇一〇年五月までを加筆補充した。第三版では、二〇一六年一月、総統選挙で民主進歩党(民進党)の蔡英文主席が圧勝して、立法院選挙でも民進党が過半数を制した時点までを収録している。
図表も新しく、項目も精査増補された決定版。
第一版および増補改訂版で記載された千百年来の台湾史の重要な内容を継承しつつ、第三版ではそれらの項目をさらに精査改訂し、原書の図表も新たに描き直した。現代台湾の視点から、年表と事項解説によって重要項目を網羅する台湾史の格好の手引書であるとともに、《年表》と《辞典》を結合させた、本邦では他に類のない「台湾通史の決定版」と自負している。
■〔第三版あとがき〕より抜粋
台湾は、2016年1月の総統選挙で民進党の蔡英文氏を新しい総統に選び、国民党からの政権交代を実現させた。蔡英文氏が当選後に述べたように、これは民意の反映であり、台湾の民主が根付いていることが示されたものだと言えるだろう。中国は、台湾独立条項を綱領に持つ民進党の蔡英文氏が新しい総統に選ばれたことに警戒し、いち早く対話拒否の態度を示すなど強硬な姿勢をちらつかせている。蔡英文政権にとっては対中国との関係をいかに維持するかが今後の最重要課題となるだろう。中台関係の発展の状況は、日本、ひいてはアジアの情勢にも影響を及ばすところが大であり、日本がその中でどういう役割をはたしていくべきか、我々は今まで以上に熟慮し行動すべき時と立場に置かれていると言える。台湾小事典第三版が台湾問題の過去を振り返り、現在を直視し、将来を考える上でいささかでも読者の参考になれば幸いである。