集広舎の本

マオイズム(毛沢東主義)革命──二〇世紀の中国と世界

書名:マオイズム(毛沢東主義)革命
副題:二〇世紀の中国と世界
著者:程 映虹
翻訳:劉 燕子
発行:集広舎(2021年09月01日)
判型:A5判/上製/519ページ
価格:4,500円+税
ISBN:978-4-86735-018-8 C1022
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紹介

中国の革命は
人類文明に対する破壊であった

毛沢東主義が東南アジア、南米、アフリカ、ヨーロッパ、日本など、
世界各地に波及し混乱を招いた様を克明に描く。
習近平体制の中国が世界への進出をはかる今、
待望の日本語版

目次

第一章 マオイズム(毛沢東主義)と中国モデルの東欧や北ベトナムへの影響 
―「百花斉放・百家争鳴」と「反右派」運動の再検討―(茅野雅弘訳)
第二章 世界への革命の輸出
―文革のアジア、アフリカ、ラテン・アメリカへの影響に関する端緒的研究―(劉燕子訳)
第三章 毛沢東主義はどのようにシンガポールの左翼運動を破滅させたか?(茅野雅弘訳)
第四章 「新人」を製造する
―ソ連、中国、キューバの共産主義革命の比較研究―(茅野雅弘訳)
第五章 マオイズムの変種 
―クメール・ルージュの大虐殺の研究―(茅野雅弘訳)
第六章 〝革命の攻勢〟
― キューバの〝大躍進〟と 〝文革〟―(平野愛訳)
第七章 ペルーのマオイストとセンデロ・ルミノソ(輝ける道)(平野愛訳)
第八章 キューバのマオイスト、ゲバラはなぜ脱出したのか?
―ゲバラの再評価に関連して―(平野愛訳)
第九章 西側知識人によるマオイズム革命への傾倒  
―「政治的聖地巡礼」の背景―(平野愛訳)
第十章 キューバの砂糖キビ畑で〝再教育〟を受けるアメリカ青年   
―「政治的聖地巡礼」の事例として―(劉燕子訳)
第十一章 カストロは毛沢東「延安文芸座談会での講話」の影響を受けたか(和泉ひとみ訳)
第十二章 エンクルマ失脚と文革初期の「クーデター」疑惑(和泉ひとみ訳)
第十三章 余柱業とマラヤの「赤い記憶」(和泉ひとみ訳)
第十四章 『毛沢東語録』の世界的伝播(劉燕子訳)
日本語版へのあとがき 程映虹(劉燕子訳)
 証言 文化大革命の日本への影響  宮原勝彦
 日本人の文革認識 福岡愛子
 訳者あとがき 劉燕子

前書きなど

毛沢東が押し進めた国内革命も「共産主義を実現する」と呼号した世界革命も、人類文明に対する破壊以外の何ものでもなかった。人類文明の最も基本的な制度や規範である家族、地域共同体、経済、教育、倫理、信仰、芸術などは共産主義革命の最も過激な時期に徹底的に改造され、破壊された。(本文より)

著者プロフィール

著者/程 映虹(テイ エイコウ)
1959年生まれ。1988年、中国社会科学院研究生院修士課程(世界史専攻)を修了し、蘇州大学で教鞭を執り、1994年に渡米し、2001年にノースイースタン大学で博士号(世界史)を取得し、デラウェア州立大学歴史学科教授となる。著書は本書の他に『菲德尔.卡斯特罗:二十世纪最后的革命家(フィデル・カストロ:二十世紀最後の革命家)』、『西窗東眺(西の窓から東を眺める)』、『红潮小史(The Red Tide)』、英語ではCreating the New Man: from Enlightenment Ideals to Socialist Realities, Discourses of Race and Rising Chinaなどがある。他に国際学術誌The Journal of Asian Studies, The China Quarterly, Journal of Contemporary China, Modern Asian Studies, Journal of World History, Journal of Cold War Studies, Journal of Chinese Overseas, Modern Chinese Literature and Culture, Asian Review of World Historiesに十数篇の論文が掲載された。

訳者/劉 燕子(リュウ エンシ)
現代中国文学者。大阪市立大学大学院修士(教育学)、関西大学大学院修士(文学)。神戸大学等で教鞭を執りつつ日中バイリンガルで著述・翻訳。編著訳書に『中国低層訪談録:インタビューどん底の世界』、『殺劫:チベットの文化大革命』、『チベットの秘密』、『「〇八憲章で学ぶ教養中国語』、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命』、『劉暁波伝』、『中国牛鬼蛇神録―獄中の精霊たち(近刊)』(以上、集広舎)、『天安門事件から「〇八憲章」へ』、『「私には敵はいない」の思想』、『中国が世界を動かした「1968」』(以上、藤原書店)、『劉暁波詩集:独り大海原に向かって』(書肆侃侃房)など、中国語の著訳書に『這条河、流過誰的前生与后生?』、『没有墓碑的草原』など多数。