集広舎の本

新刊『東アジア儒家仁学史論』

東アジア儒家仁学史論

書名:東アジア儒家仁学史論
著者:黄 俊傑
訳者:吉田絵里
監訳:工藤卓司
発行:集広舎/A5判/上製/511頁
価格:本体6,800円+税
発売予定日:2022年3月15日
ISBN:978-4-86735-026-3 C0010
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紹介

「仁」は言うまでも無く儒学の最大徳目である。
本書は、中国、日本、朝鮮の仁説を渉猟し考察を加え、
仁という概念の奥行きと可能性を示している。 「土田健次郎 序」より

近代以降の世界、とりわけアジア諸地域は幸か不幸か、只管「国」と「ヨーロッパ」に左右されてきたことを思えば、本書は現代まで続く「近代」の克服のための試みの一つだとも言えよう。また、その二つの意図がちょうど現代のグローカル化(glocalization)の動きに呼応している点も看過できない。「過去」について論じていながら、「現在・未来」を考えて切り開く上で非常に示唆的な内容を含んでいることは、本書の学術的価値をより高めるものである。 「監訳者あとがき」より

目次

◉序 土田健次郎 ……………… 11
◉自序 ……………… 23
第一部 理論基礎
 第一章 導論 ……………… 28
 第二章 東アジア儒学の新視野とその方法論上の問題 ……………… 91
第二部 儒家の「仁」学の起点と内容
 第三章 東アジア儒家における「仁」学の起点 …………… 120
 第四章 東アジア儒家「仁」学の内容(一) ……………… 157
 第五章 東アジア儒家「仁」学の内容(二) ……………… 239
 第六章 東アジア儒家「仁」学の内容(三) ……………… 332
 第七章 東アジア儒家「仁」学の内容(四) ……………… 365
第三部 仁政理論及びその実践について
 第八章 東アジア儒家政治思想における「仁政」論述及びその理論問題 ……………… 388
 第九章 東アジア儒家政治思想における「仁政」の実践(一) …… 413
 第十章 東アジア儒家政治思想における「仁政」の実践(二) …… 454
第四部 結論
 第十一章 結論 ……………… 500
◉謝辞 ……………… 507
◉監訳者あとがき ……………… 509

著者プロフィール

黄 俊傑(コウ シュンケツ)
 1946年、台湾・高雄県生まれ。国立台湾大学講座教授兼人文社会高等研究院院長・ワシントン大学(シアトル)客員教授・関西大学COE客員教授・国際「東アジア文化交渉学会」(Society for Cultural Interaction in East Asia)会長(2010~2011)等を経て、現在、台湾大学特聘講座教授・欧州研究院院士(Member of Academia Europaea)。「中華民国教育部国家講座」・「教育部学術奨」・「中山学術著作奨」・「胡適記念講座」・「傑出人才講座」等受賞。専門は東アジア思想史。
 数多くの著書が英語・フランス語・ドイツ語・日本語・韓国語・ベトナム語・スペイン語・スロベニア語等に翻訳されており、邦訳としては、臼井進訳『台湾意識と台湾文化―台湾におけるアイデンティティーの歴史的変遷』(東方書店、2009)・藤井倫明訳『東アジアの儒学―経典とその解釈』(ぺりかん社、2010)、藤井倫明・水口幹記訳『東アジア思想交流史―中国・日本・台湾を中心として』(岩波書店、2013)、工藤卓司訳『徳川日本の論語解釈』(ぺりかん社、2014)、工藤卓司監訳『儒家思想と中国歴史思惟』(風響社、2016)、緒形康訳『儒教と革命の間―東アジアにおける徐復観』(集広舎、2018)、藤井倫明訳『思想史的観点からみた東アジア』(風響社、2018)がある。