ブエノスアイレスで昨年12月1日に開かれた米中首脳会談で、トランプ大統領は中国で違法に製造された薬物フェンタニルの米国流入対策として、製造業者を死刑に処すよう習近平主席に求めた。アヘンを精製した鎮痛剤モルヒネの100倍も強力とされるこの薬物により、2017年に全米で77000人が死亡したとトランプ大統領は主張し、習主席も取り締まりを約束した。報道を奇異に思われた方も多いだろう。貿易問題ばかりに焦点が当たった首脳会談ではあったが、薬物中毒が蔓延する米国と、その淵源たる清国との因縁を思い起こさせる異様なトップ交渉だったからだ。
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コラムニスト