有料記事/百鬼夜行の国際政治

第05回

清国貿易から鉄道事業へ

広州にやってきた貿易商たちの居館地域 (Forbes House Museum)広州にやってきた貿易商たちの居館地域 (Forbes House Museum)

 火薬製造のデュポン、石油採掘のロックフェラー、不動産と銀行のメロンと、今尚アメリカのファミリー企業のトップにそびえ立つ企業群は、19世紀初めから中葉にかけて誕生した。しかし、当時産業の規模として最大だったのは鉄道業である。多額の資本と膨大な労働力を注ぎ込み鉄路を敷設する鉄道事業は、若々しい独立国アメリカの国造りの根幹、経済の大動脈づくりとなるビッグ・ビジネスだった。

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コラムニスト
竜口英幸
ジャーナリスト・米中外交史研究家・西日本新聞TNC文化サークル講師。1951年 福岡県生まれ。鹿児島大学法文学部卒(西洋哲学専攻)。75年、西日本新聞社入社。人事部次長、国際部次長、台北特派員、熊本総局長などを務めた。歴史や文化に技術史の視点からアプローチ。「ジャーナリストは通訳」をモットーに「技術史と国際標準」、「企業発展戦略としての人権」、「七年戦争がもたらした軍事的革新」、「日蘭台交流400年の歴史に学ぶ」、「文化の守護者──北宋・八代皇帝徽宗と足利八代将軍義政」、「中国人民解放軍の実力を探る」などの演題で講演・執筆活動を続けている。著書に「海と空の軍略100年史──ライト兄弟から最新極東情勢まで」(集広舎、2018年)、『グッバイ、チャイナドリーム──米国が中国への夢から覚めるとき 日本は今尚その夢にまどろむのか』(集広舎、2022年)など。
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