有料記事/百鬼夜行の国際政治

第10回

清国に手を差し伸べたリンカーン

ワシントンのリンカーン記念堂座像(The Haffington Post)ワシントンのリンカーン記念堂座像(The Haffington Post)

 合衆国の歴代大統領の中で人々に最も敬愛されているのは、第16代大統領アブラハム・リンカーンだ。当時、辺境(フロンティア)と呼ばれていたケンタッキー州の貧しい開拓農家の家庭に生まれ、苦学して弁護士となったリンカーンは1854年、奴隷制の拡大反対を党是とする共和党創設に参加。分離独立を宣言した南部十一州との戦い、「アメリカ市民戦争」という建国以来最大の国家分裂の危機の中で大統領に就任し、自ら軍最高司令官と公言して鉄の意志で勝利を納めた。

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コラムニスト
竜口英幸
ジャーナリスト・米中外交史研究家・西日本新聞TNC文化サークル講師。1951年 福岡県生まれ。鹿児島大学法文学部卒(西洋哲学専攻)。75年、西日本新聞社入社。人事部次長、国際部次長、台北特派員、熊本総局長などを務めた。歴史や文化に技術史の視点からアプローチ。「ジャーナリストは通訳」をモットーに「技術史と国際標準」、「企業発展戦略としての人権」、「七年戦争がもたらした軍事的革新」、「日蘭台交流400年の歴史に学ぶ」、「文化の守護者──北宋・八代皇帝徽宗と足利八代将軍義政」、「中国人民解放軍の実力を探る」などの演題で講演・執筆活動を続けている。著書に「海と空の軍略100年史──ライト兄弟から最新極東情勢まで」(集広舎、2018年)、『グッバイ、チャイナドリーム──米国が中国への夢から覚めるとき 日本は今尚その夢にまどろむのか』(集広舎、2022年)など。
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