今年は中国の鄧小平が工業、農業、科学技術、国防の四つの近代化を掲げ「改革開放」、つまり市場経済の導入へと舵を切って40年を迎える節目の年である。鄧小平が権力を確立したのは、中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議(「3中全会」1978年12月18~22日)で、毛沢東の負の遺産の解消-文化大革命で失脚した人々の復権や新たな国造りに着手した。共産主義国家・中国の一大転換点である。
独裁体制を敷いたかに見える現在の習近平政権は「改革開放」を死語にした。官製メディアにも40周年記念座談会の記事が時たま小さく出る程度だった。ところが8月3日、新華社のサイトが突然、トップに大見出しで「一層力を込めて改革開放を進めよう」との新華社評論員の記事を据えたのには驚いた。それまでは人民日報も新華社も「習近平」の記事が連日でかでかと載って、辟易するほどだったのだから。避暑地・北戴河での会議の時期でもあり、政治的意図がないとはいえまい。
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コラムニスト