遅ればせながら、新年快楽!(2月1日は旧正月、春節の新年でした)
中国ネットジョークの世界紹介の党…、もとい当コラムだが、実のところ中共は大まじめな宣伝や記者会見内で、なまなかのネットジョークでは太刀打ちできない文言を連発するのでタチが悪い。
今回は最初の「悪い冗談」こそ、近日のものだが、その他は主に一昨年コロナが中国で猛威を振るっていた時期に生まれたジョークを紹介する。
現在オミクロン株の感染が広がる中、北京にて冬季五輪が開催され、翌月にはパラリンピックも控えている。五輪裏話が我々の目の前に展開しきるまで、重大な疾病が中共により隠匿され、世界に被害が拡大されたコロナウイルスによる新型肺炎の感染第一波の時期を思い返すのもオツではなかろうか。
五輪とコロナ禍、対照的な現象だが人民が体制に対し明確な反対や批判がこぼせないことは同じである。その中で改めて世界の平和と「あの」中国にいながらイキの良い反体制ジョークを量産できる中国人民のため、中国共産党の恐怖支配がコロナと共に弱っていくことを願わざるを得ない。たとえコロナと共存する日が来ても、我々人類には中共との共存は無理なのだ。
①2021年最強ジョーク決定版!『どこに出しても恥ずかしい』
「中国はどこに出しても恥ずかしくない民主国家である。」by中国外交部ナンバー2、楽玉成
解説
昨年、アメリカのバイデン大統領が主宰、開催を発表したオンラインでの民主主義サミットにあたり、中国と(とロシア)は当然のように招待されなかった。
それに対抗し2021年12月2日に楽玉成中国外交部筆頭副部長から発表された声明である。恥知らず過ぎて読んでるこっちが恥ずかしい。サミットは2021年12月10日に無事開催された。
今更ながらの2021年振り返りで恐縮である。
原文
「中國是當之無愧的民主國家」
出典:
以下、コロナウイルスによる新型肺炎流行下に生まれた数々のブラックジョークを紹介する。このジョークこそ中国人民の、いや人類の命と涙で作られた。なお、小見出し番号は先ほどの①から続けている。ジョークの作者、まとめ責任者は全て匿名有志である。
小特集、新型肺炎・はじまりの時代
2020年、世界は悪夢に覆われた──ジョークで振り返るコロナと中国
②『中国は常に勝利する』
「アメリカのワクチンは本当に世界一効果があるのか?」
「そうだ、だが中国製の注射針は世界で最も太いのだぞ」
原文
“美国的疫苗真是全世界最有效的吗?”
“是的。但是中国制造的针头是全世界最粗的”
③『偉大なる逃走』
アメリカの外交団が中国を訪問した。接待役の中共役人は、外交団の『建設的な偉大なる成就』の視察に付き添いながら得意げに言った。
「次の五か年計画達成時は中国の各家庭が全てヘリコプターを所持しています!」
アメリカ人は驚いて質問した。
「ヘリを手に入れてどうするんだ?」
中共の役人は答えた。
「もちろん使い道はあります……例えば自分の住んでいるところに武漢人が来てもヘリを飛ばせればすぐ離れられるでしょう。」
原文
美国外交代表团到中国访问,中共接待官员陪他们参观“建设的伟大成就”,并且得意的说:“到了下一个五年计划,每个中国家庭都可以拥有一架直升飞机!”美国人惊讶的问:“他们要飞机干什么呢?”中共官员说:“当然有用啊……譬如你听说你小区来了个武汉人,你可以马上开飞机离开这里啊。”
④『自白は根拠の王』
北京の専門家グループが武漢の海鮮市場で一匹の蝙蝠の死体を発見したが、長い時間をかけても蝙蝠の死因は判明しなかった。国家安全部ならどんな問題も解決してくれると聞き及び、何名か秘密警察を呼んで助けを求めた。
朝一番、秘密警察は仕事に取りかかり、最後大汗をかきながら出てきた。
「調査結果は明白だ。新型コロナウイルスは人間には感染しない。」
北京の専門家は非常におののいた。
「どうしてそれが分かったのです?」
秘密警察は答えた。
「簡単なことだ!自白した。」
解説
原文では国家安全部から国保を呼んだとされている。
国保というのは公安部国内安全保衛局の略称で、中身は秘密警察。治安を乱す者をしょっぴくのが役目である。ただ、国家安全部とは別組織である。国家安全部の主な業務はスパイの摘発、公安部国内安全保衛局の業務は政権に対する反対派をしょっぴくこと、とされている。
どちらにしろ恐怖政治の象徴だが。
この国保、原文では中国語では読みが同じ『国宝』という漢字を俗語で当てているのが皮肉が聞いている。
原文
北京专家组在武汉海鲜市场发现了一具蝙蝠尸体,可花费了很长时间也无法弄清蝙蝠的死因。
他们听说国安部能解决一切问题,于是他们请了几位国宝帮忙。
几位国宝忙了一个早上,最后满头大汗的出来了:“查清楚了,新型冠状病毒,不会人传人”
北京专家非常震惊:“你们是怎么知道的?”
国宝指着蝙蝠说:“很简单,它招了!”
⑤『世界線はいつも同じ』
「もし誰かが1月前の世界に戻れて肺炎の恐ろしさを公表できたら、この大災害を救うことができたんだろうか?」
「まさか。9番目のデマ扇動者になるだけだ。」
解説
中国政府は2020年1月、武漢発の新型コロナウイルスについてデマを飛ばしたとして8名の人間を逮捕したと発表。その内1名は華南果物海鮮市場でSARSの感染を確認したとウイチャットグループで流した医療従事者であった。
出典 ボイスオブアメリカ(中国語版):https://www.voachinese.com/a/china-supreme-court-on-virus-rumor-spreaders-20200128/5264718.html
原文
“如果有个人穿越到一个月前,向大家宣布肺炎的严重性,他能拯救这场灾难吗?” “不,他会成为第九个造谣的人。”
⑥『(血の)池どころか海』
地獄にもルールがある。現世で人を殺せば、その犯人は被害者の血に沈められるのだ。
ある時、神が地獄を視察に訪れると武漢市長は足までしか血に浸かっていなかった。
神はいぶかしく思って聞いた。
「お前は感染拡大を隠匿し大勢の人々を苦しめたのに、何故足までしか血に浸かっていない?」
市長は答えた。
「なぜなら私は偉大なる指導者、習近平の上に立っているのです!」
解説
2019年~2020年の中国でコロナウイルスによる新型肺炎の感染が流行し、武漢がロックダウンしていた当時の市長は周先旺。2018年から2020年まで武漢市長を務めた。その後2021年から湖北省の政協党のメンバーとなる。
政協党とは『中国共産党中国人民政治協商会議全国委員会党組』のことで、中央の政治方針を実行に移すにあたり指導的役割を果たす組織である。
原文
地狱有个规矩,谁在人间害了人,被害人的血将淹此人。一次上帝去地狱视察,发现血只浸到武汉市长的腿。上帝就很奇怪,问到:“你瞒报疫情坑害了这么多人,怎么血只及腿呢?”武汉市长答道:“因为我站在伟大领袖习近平的头上!”
⑦『死かそれとも』
老人が散歩中、不注意で川に落ちてしまい大声で助けを呼んだ。近くに警官が二人いたが、知らん顔で談笑しながら通り過ぎようとした。老人はとっさにマスクを外し大声で叫んだ。
「ワシは武漢から来た!ここ数日咳がゲーッホゲホゲホ!!」
警官たちはそれを聞くと大慌てで川に飛び込み、老人を引き上げた後手錠をかけた。
解説
第一回でも紹介したジョークのコロナ禍版。かつては「打倒胡錦涛!」と叫ぶバージョンも作られた。中国で知られているソ連アネクドートは「打倒スターリン」「打倒フルシチョフ」版もある。
原文
一老者人行道闲溜,不慎落入道旁河中。随高呼救命!两警察闻之,视若不见,仍边走边谈笑如旧。老者情急生智摘下口罩,随又高呼“我从武汉过来,这几天去过咳咳咳咳咳啊”。两警察闻之大惊,随急速跳入河中,将老者拖上岸来铐之。