書名:井上雅二と秀の青春(一八九四 – 一九〇三)
副題:明治時代のアジア主義と女子教育
著者:藤谷浩悦      
価格:4,860円(本体4,500円+税)
判型:A5判/上製本/472頁
ISBN 978-4-904213-66-7 C0021


明治の激動の時代、世界を駆け抜けアジア主義と女子教育に邁進した若き夫婦の記録

日清戦争後、日本は国際社会に踊り出ながら孤立を深め、国内では未だに女性の教育機会が男性に比べて著しく制限されていた時代、若き夫婦が将来を見据えて、懸命に進むべき路を模索していた。一人は荒尾精に師事し、東京専門学校(現在の早稲田大学)に学び、アジアの連帯を求めた井上雅二、もう一人は成瀬仁蔵に傾倒し、日本女子大学の一期生となり、女子教育の発展に尽くした井上秀である。二人はこれ以降、アジアだけでなく、世界を舞台に活躍し、明治、大正、昭和の一時期を駆け抜けた。本書は日本の外務省文書、井上雅二日記、明治時代の新聞や雑誌の記事を丹念に読み解きながら、この二人の青春期の苦闘を明らかにし、近代日本のアジア主義、女子教育の諸相を描き出したものである。

著者プロフェール
一九五七年に秋田県に生まれる。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科(東洋史専攻)単位取得満期退学。文学博士(筑波大学)前・東京女学館大学国際教養学部教授。著書に『湖南省近代政治史研究』(汲古書院、二〇一三年)、『戊戌政変の衝撃と日本―日中聯盟論の模索と展開―』(研文出版、二〇一五年)、編著に(饒懐民と共編)『長沙搶米風潮匯編』(岳麓書社、二〇〇一年)、『良き師と友、塾生に支えられて―藤谷正治郎(薫水)とその時代―』 (非売品、二〇一七年)、訳書に家其(三石善吉、鐙屋一、中前吾郎と共訳)『首脳論』(学生社、一九九二年)、張宏傑(小林一美、多田狷介、土屋紀義と共訳)、『中国国民性の歴史的変遷―専制主義と名誉意識―』(集広舎、二〇一六年)

目次
第一部 彷徨の日々(一八九四~一八九七)
 第一章 郷里からの旅立ち―アジア主義と女子教育
 第二章 井上雅二と秀の模索―禅とキリスト教、柔道
 第三章 雅二の修養、秀の勉学―結婚と別居生活
第二部 清国の改革への思い(一八九八)
 第四章 井上雅二と東亜会―日清聯盟の展開
 第五章 戊戌政変と日本の反応―康有為と井上雅二
 第六章 日本亡命者の処遇問題―東亜同文会の設立
第三部 青春の蹉跌(一八九九~一九〇一)
 第七章 上海改革派と女子教育―前途への期待と不安
 第八章 井上雅二と秀の転機― 一九○○年の衝撃
 第九章 欧州留学と女子大学校―井上雅二と秀の決意
第四部 再起と実践(一九〇二~―九〇三)
 第一〇章 アジア周遊と家政学―井上雅二と秀の曙光
 第一一章 井上雅二と秀の再会―ドイツ、ロシア、暹羅、韓国