集広舎の本

ナクツァン──あるチベット人少年の真実の物語

ナクツァン書名:ナクツァン
副題:あるチベット人少年の真実の物語
著者:ナクツァン・ヌロ
訳者:棚瀬慈郎/解説:阿部 治平
発行:集広舎(2020年10月15日)
判型:四六判/上製/496頁
価格:2,700円+税
ISBN 978-4-904213-98-8 C0023

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紹介

激動のチベットを生き抜いた少年の
これは喜びと悲しみに満ちた真実の物語である。

目次

第1章 人が経験する喜び、悲しみ、苦しみ──前世の業の結果
第2章 人生における喜びや悲しみは、レイヨウの角の節のようなものである──幼少時代の喜びと悲しみについて
第3章 ジョウォの御尊顔を拝する──良縁によって与えられた祝福
第4章 地の果てをさまよう悲しみ──大きな変化の時期にあっては、どうしようもない
第5章 悲惨な孤児の暮らし──運命は思い通りには進まない
本書を書いたことについて(著者によるあとがき)

解説 「アムドにおける叛乱の記録」 阿部治平
訳者解説、訳者あとがき、参考文献

帯文

ナクツァン・ヌロ氏の著書は、彼の少年時代の回想録であり、その中では彼の故郷や、他のチベット地域の風土が詳しく描かれ、また彼が経験した、1950年代の中国共産党による残酷な鎮圧が忠実に記録されている。
著者は自の経験と見聞を書き記し、そこには誇張も偽りもない。そのため、この本の出版は新しい世代のチベット人が、自の歴史を勉強するために重大な意味を持っている。また、チベット現代史の研究者にとっても大きな価値がある。
以上のすべての点において、この本の出版は称賛に値する。

14世ダライラマ法王、テンジン・ギャムツォ(漢訳版序文より抜粋、翻訳)

著訳者プロフィール

著者:ナクツァン・ヌロ(Naktsang Nuro / 納倉・怒羅)
1948年チュカマ(現中国甘粛省甘南チベット族自治州瑪曲県斉哈瑪)生まれ。1964年玉樹州民族師範学校卒業。チュマル県人民法院副院長、チュマル県副県長などを歴任。1993年退官。

訳者:棚瀬慈郎(タナセ・ジロウ)
1959年愛知県生まれ。1990年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。現在滋賀県立大学教授。著書に『インドヒマラヤのチベット世界 ── 「女神の園の民族誌」』(明石書店)、『ダライラマの外交官ドルジーエフ ── チベット仏教世界の20世紀』(岩波書店)、『旅とチベットと僕 ── あるいはシャンバラ国の実在について』(講談社)などがある。

解説:阿部治平(アベ・ジヘイ)
1939年長野県生まれ。1962年東京教育大学農学部卒業。高校教員を経て中国で日本語教師生活十数年。著書に『中国地理の散歩』(日中出版)、『黄色い大地、悠久の村 ── 黄土高原生活誌』(青木書店)、『もうひとつのチベット現代史 ── プンツォク・ワンギェルの夢と革命の生涯』(明石書店)、『チベット高原の片隅で』(連合出版)などがある。

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