集広舎の本

儒教と革命の間──東アジアにおける徐復観

儒教と革命の間──東アジアにおける徐復観書名:儒教と革命の間
副題:東アジアにおける徐復観
   東亞儒學視域中的徐復觀及其思想
著者:黄俊傑
訳者:緒形康
発行:集広舎
四六判/432ページ/上製
価格:2,750円+税
ISBN 978-4-904213-60-5 C0010
発売予定日:2018年6月15日
 

 
紹介


全体主義体制と生涯をかけて闘った思想家!
民衆が歴史上こうむってきた差別や抑圧を解放することをミッションとし、
中国政治の革新を目指したそのすがたを多様な角度から明らかにする。

【現代新儒家】
1919年の五四新文化運動は、儒教を西欧近代の普遍的価値の導入を妨げる思想として全面的に否定した。そうした考えは歴史的事実に反する。アヘン戦争以後、普遍的価値を導入したのは「西儒」と呼ばれる儒者知識人だったからだ。現代新儒家とは五四を乗り越え、儒教のなかに自由民主や社会革命の思想を読み取ろうとする知識人集団で、共産中国誕生後は、全体主義に抵抗する武器として儒教を再解釈する課題をも背負うことになった。

●徐復観(じょ・ふくかん)
1903年生まれ。思想史家。30年、日本に留学し、明治大学と陸軍士官学校にて学ぶ。32年に帰国、軍務に就き、43年に蔣介石の知遇を得る。49年の台湾移住後、儒学研究に打ち込み、新儒家の代表的思想家の一人となる。著書に『両漢思想史』『中国思想史論集』『中国芸術精神』など。82年没。

 
目次


おもな目次
【第一章】 思想史家、徐復観
【第二章】 伝統的な中国文化の回顧と展望(Ⅰ)
【第三章】 伝統的な中国文化の回顧と展望(Ⅱ)
【第四章】 中国文化を創造するさいの参照システム(Ⅰ)
【第五章】 中国文化を創造するさいの参照システム(Ⅱ)
【第六章】 古典儒教と中国文化の革新
【第七章】 結論
◉付論 『中国人性論史・先秦篇』における方法論の立場とその革新
◉徐復観著作10選
毛沢東『矛盾論』の現実的な背景
日本における真正の中国学者、安岡正篤先生
わたしの理解する蔣総統の一面
国民党による革新の議論を慶賀する
劉少奇を哀しむ
「台湾独立」とは何か
熊十力先生の目指したこと
われわれ国家が直面するいくつかの問題にかんする考察
中越戦争の回顧
国族と政権!──老いた壮士先生およびその他の読者に答える
 

前書きなど


中国の「現代新儒家」のなかでも、徐復観の生命力は強靭で、殷海光が「かれは怒り猛ること獅子のごとく、従順なること羊のごとし」と述べるとおりである。現代中国で権力を握る政治家や中国文化を踏みにじる知識人には、獅子の雄叫びをもって怒りを加え、裏切りの悲哀に苦しむ無告の労働者農民大衆には、羊のようにその心の傷を愛撫する。何十年にもわたり、わたしは徐復観の書いたものの行間に、かれの「発憤の心」と、その「発憤の心」が二〇世紀の苦難にみちた中国に残した記録を読むのである。(「自序」より)
 

著者・訳者プロフィール


著者:黄俊傑(コウ・シュンケツ)
1946年、台湾高雄生まれ。国立台湾大学歴史系卒業。 Ph.D(ワシントン大学歴史学部)。研究対象は東アジア儒教、戦後台湾史。国立台湾大学歴史系主任をへて、同大学に人文社会高等研究院を創設、院長に就任、東亜儒学研究中心主任を兼務。2017年1月、国立台湾大学を退任後、台湾大学特聘講座教授、文徳書院にて講学活動を続ける。その著書は編著を含め50冊を超えるが、邦訳に『東アジア思想交流史──中国・日本・台湾を中心として』(藤井倫明・水口幹記訳、岩波書店、2013年)、『徳川日本の論語解釈』(工藤卓司訳、ぺりかん社、2014年)、『儒家思想と中国歴史思惟』(工藤卓司監訳、池田辰彰・前川正名訳、風響社、2016年)などが、 最新の著書に『東アジア儒家の仁学史論(東亜儒家仁学史論)』(台北:国立台湾大学出版中心、2017年)がある。

訳者:緒形康(オガタ・ヤスシ)
1959年、大阪府生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。文学博士(東京大学)。研究対象は中国近現代思想史、日中思想交流史。現在、神戸大学大学院人文学研究科教授。著書に『危機のディスクール──中国革命1926~1929』(新評論、1995年)、編著書に『現代中国と市民社会──普遍的《近代》の可能性』(勉誠出版、2017年)などがある。

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