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唯色氏、2011年度オランダ「クラウス王子賞」受賞

作家・翻訳家の劉燕子氏より、ツェリン・オーセル氏がオランダのクラウス王子基金会から「勇敢なチベット人作家」として表彰された旨のメールをいただきました。以下、メール本文を劉燕子氏の許可を得て掲載いたします。【編集室】

 オーセルさんがまたまた国際的な栄誉ある賞を受賞しました。オランダのクラウス王子基金会から「勇敢なチベット人作家」として表彰されました。ただ今、午後5時40分(編集室注:9月7日)、ラサにいるオーセルさんと電話でお話しできました。とても喜んで、このように語りました。
「私はとても幸運です。多くのチベット人やウイグル人の作家や表現者は言論・表現の自由のために自由を失い、罪を問われています。この賞は、私一人ではなく、すべてのチベット人のため、すべての良知と良心に従う不屈の人々のためです。今回の受賞は国際社会がチベットの現状に対して関心を向けていることを示しています。これもうれしいことです。今後とも多くの人たちがチベットの現状について注目してもらいたいです」
 藤野彰氏と劉燕子の共訳『殺劫-チベットの文化大革命』集広舎)の著者紹介にありますとおり「著述は祈ることであり、巡り歩くことであり、証人になることである」という座右の銘が高く評価されました!

 集広舎のサイトで、彼女の詩やエッセイなど、また、私の小論が掲載されています。是非ご覧ください。
 なお、今年三月、ご主人の王力雄さんは市民の協力で来日し、大阪、京都、東京で講演し、交流しました。彼の『私の西域、君の東トルキスタン』(集広舎、馬場裕之訳、劉燕子監修・解説)は、朝日新聞、図書新聞、共同通信などで高い評価を受けています。お二人は勇気と良識を備えた知識人です。中国における言論統制は相変わらず厳しいですが、ペンの力を信じて頑張っています。是非ご注目ください。敬具。劉燕子。(転載は大歓迎です)

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