チベット問題に関心を
中国チベット自治区でチベット族住民らによる大規模な暴動が起きて14日で2年。これに先立ちチベットの人権問題などに取り組む各国支援団体をつなぐ組織「国際チベットサポーターネットワーク」(ITSN)のアジア支局長、ツェリン・チェドプさん(37)が、亡命正負があるインドのダラムサラから来日した。
日本の支援団体と交流し、4日には福岡市内で講演、西日本のインタビューにも応じた。主なやり取りは次の通り。(都市圏総局・野村大輔)
──ITSNは、どんな組織なのか。
世界に約170あるチベット関連の支援団体を結び、亡命政府との調整も行なう組織で、2000年に発足した。
──今回の訪日ではどのような活動をし、どのような成果が得られたのか?
東京や広島、熊本、福岡など各地で支援団体や仏教の関係者と会った。チベット問題に関心を持つ人たちが多く、うれしかった。信頼関係をつくることができた。
──亡命するチベット人は後を絶たないが。
私の祖父も1959年に、まだ幼かった父を連れてインドに亡命した。渡しはインドで生まれたため、チベットに行ったことはない。古里を訪ねるすべもない。
──2月にチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世が訪米し、オバマ大統領と会談した。その意義は何か。
何かが変わったわけではない。ただ、世界的に影響力ふがある人物と会談し、あらためて世界にチベット問題をアピールすることができたと思う。
──日本に期待することは。
中国にいるチベット人は、信仰や言語の自由など基本的人権が守られていない。私たちは平和的手段で問題解決したい。日本をはじめとする国際社会がチベットの平和や人権に関心を持ち支援してほしい。
2010年3月14日 西日本新聞より