唯色(茨仁唯色 ツェリン・オーセル Tsering Woeser)

1966年、文化大革命下のラサに生まれる。
原籍はチベット東部カムのデルゲ(徳格)。1988年、四川省成都の西南民族学院(現・西南民族大学)漢語文(中国語・中国文学)学部を卒業し、ラサで『西蔵文学』誌の編集に携わるが、当局の圧力に屈しなかったため職を追われるものの、独立精神を堅持して「著述は巡歴、著述は祈祷、著述は証言」を座右の銘にして著述に励んでいる。
主な著書に『西蔵在上』(青海人民出版社、1999年)、『名為西蔵的詩』(2003年に『西蔵筆記』の書名で花城出版社から刊行したが発禁処分とされ、2006年に台湾の大塊文化出版から再出版)、『西蔵―絳紅色的地図―』(時英出版社、台湾、2003年)、『殺劫』(大塊文化出版、台湾、2006年。日本語訳は藤野彰・劉燕子共訳『殺劫―チベットの文化大革命―』集広舎、2009年)、『看不見的西蔵』(大塊文化出版、台湾、2008年)、『鼠年雪獅吼―2008年西蔵事件大事記―』(允晨文化、台湾、2009年)、『聴説西蔵』(王力雄との共著、大塊文化出版、台湾、2009年)、『雪域的白』(唐山出版社、台北、2009年)、『西蔵:2008』(大塊文化出版、台湾、2011年)がある。国際的にも注目され、ドイツ語、スペイン語、チベット語などに翻訳されている。
2007年にニューヨークに本部を置く人権団体「ヒューマン・ライツ・ ウォッチ」の「ヘルマン/ハミット賞」、ノルウェーの「自由表現賞」、2009年に独立中文筆会の「林昭記念賞」、2010年にアメリカの「勇気あるジャーナリスト賞」などを受賞している。