百鬼夜行の国際政治
アヘンの呪い招き寄せた米国

アヘンの呪い招き寄せた米国

ブエノスアイレスで昨年12月1日に開かれた米中首脳会談で、トランプ大統領は中国で違法に製造された薬物フェンタニルの米国流入対策として、製造業者を死刑に処すよう習近平主席に求めた。アヘンを精製した鎮痛剤モルヒネの100倍も強力とされるこの薬物により、2017年に全米で77000人が死亡したとトランプ大統領は主張し、習主席も取り締まりを約束した。報道を奇異に思われた方も多いだろう。貿易問題ばかりに焦点が当たった首脳会談ではあったが、薬物中毒が蔓延する米国と… [全文を読む]
清国貿易から鉄道事業へ

清国貿易から鉄道事業へ

火薬製造のデュポン、石油採掘のロックフェラー、不動産と銀行のメロンと、今尚アメリカのファミリー企業のトップにそびえ立つ企業群は、19世紀初めから中葉にかけて誕生した。しかし、当時産業の規模として最大だったのは鉄道業である。多額の資本と膨大な労働力を注ぎ込み鉄路を敷設する鉄道事業は、若々しい独立国アメリカの国造りの根幹、経済の大動脈づくりとなるビッグ・ビジネスだった。17歳で清国との貿易に乗り出し、若くして富と名声を築いたジョン・マレー・フォーブス… [全文を読む]
公式夕食会の食器に認定されたチャイナ

公式夕食会の食器に認定されたチャイナ

米国の大統領府、ホワイトハウス一階には「チャイナ・ルーム」という名称の部屋がある。外国首脳との夕食会、閣僚の食事会、大統領夫人の食事会などに使用する、米国の威厳を象徴する応接間だ。なぜ「チャイナ」なのか。それはこの部屋がティーセットやディナーセットの名品を展示するだけではなく、実際に来客にも使用する、世界有数のチャイナ(磁器)の生きた“美術館”でもあるからだ… [全文を読む]
アメリカの建国と喫茶文化

アメリカの建国と喫茶文化

地球規模で人類の歴史を変える原動力となった食物がある。ブラジルやカリブ海の島々に労働力としての黒人奴隷を出現させた砂糖、アイルランドやドイツに大飢饉をもたらして民族移動の波を起こしたジャガイモ、そしてイギリスと清国とのアヘン戦争や、アメリカ革命(独立)の契機となった「茶」である。東アジアからインド北部を原産地とする「茶」には、二系統の名前がある。福建語起源の「テ(ティー)」と広東語起源の「チャ」である。西欧における喫茶の習慣は… [全文を読む]
露空母クズネツォフの黄昏

露空母クズネツォフの黄昏

アメリカ海軍とフランス海軍は今年4、5月の2カ月間にわたり、米ヴァージニア州沖で合同演習「チェサピーク・ミッション2018」を実施した。フランス唯一の空母シャルル・ド・ゴールの艦載機や乗組員が米原子力空母ジョージ・ブッシュに乗り込み、米軍の実弾を使用したり、フランス軍パイロットが米軍の早期警戒管制機を操縦し、米軍スタッフとともに飛行する演習まで行った。両海軍は2008年にも小規模の合同演習を行ったが、今回フランス側はラファール戦闘機12機… [全文を読む]
蒋経国と鄧小平──二つの改革開放

蒋経国と鄧小平──二つの改革開放

今年は中国の鄧小平が工業、農業、科学技術、国防の四つの近代化を掲げ「改革開放」、つまり市場経済の導入へと舵を切って40年を迎える節目の年である。鄧小平が権力を確立したのは、中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議(「3中全会」1978年12月18~22日)で、毛沢東の負の遺産の解消-文化大革命で失脚した人々の復権や新たな国造りに着手した。共産主義国家・中国の一大転換点である… [全文を読む]