コラム
「独立宣言」の伝道者

「独立宣言」の伝道者

アメリカの首都ワシントンで7月4日に行われた今年の独立記念日の祝賀式典は、航空ショーと見まがうばかりの異様なものだった。リンカーン記念堂から連邦議事堂に至る東西約3キロメートルのナショナル・モールを埋めた人々の上空を、大統領専用機エアフォース・ワンを手始めに、海兵隊のVH-92オスプレイ、海軍のブルー・エンジェルス・チーム、空軍のB-2スピリット・ステルス爆撃機とF-22ラプター・ステルス戦闘機、沿岸警備隊のC-130輸送機、陸軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターが次々に飛行したのだ。しかも大統領が演説… [全文を読む]
移民向けの社会的連帯経済を考える

移民向けの社会的連帯経済を考える

6月8日(土)にバルセロナ市内サンツ地区にあるカン・バトリョーで、第1回移民と多様性の連帯経済見本市が開催されました。この会場となったカン・バトリョーは、もともと繊維工場の跡地で、5月15日運動の余波が残っていた2011年6月11日に地域住民らによりスクワット(占拠)され、各種社会運動や連帯経済などに向けた活動拠点としての自主運営が行われています。5月の記事でバルセロナは連帯経済が盛んだと… [全文を読む]
日米安保の要に急浮上したF-35B

日米安保の要に急浮上したF-35B

元号が「令和」に代わったばかりの5月下旬、「令和」時代最初の国賓としてトランプ米大統領が日本を訪問し、四日間にわたり安倍首相と濃密な首脳会談を繰り広げた。外交に秘密は付き物だし、秘密合意もあるかもしれないが、今回両首脳が世界に発したメッセージは極めて明確で、かつまた強烈だった。佐世保を母港とする米艦「ワスプ」と呉を母港とする海上自衛隊の護衛艦「かが」とを、在日米海軍司令部と海自の司令部がある… [全文を読む]
バブル世代

バブル世代

ベルリンの壁が崩壊し、天安門事件のあった1989年。それは昭和天皇が崩御され、平成が始まった年だった。わたしが大学を卒業した年でもある。今から30年前、日経平均株価は3万8915円のピークをつけた。今はまだその6割足らずである。大学を卒業したわたしは、とある財団の奨学金を得て、フランスに留学した。太い眉、真っ赤な口紅にソバージュ髪。小さなマッキントッシュSEが道連れだった。日本のバブルパワーはすでにフランスまで届いていた。銀行、生保、ゼネコンが黄金の三角地帯と呼ばれるパリの一等地のビルを買い占めていた… [全文を読む]
現代通貨理論と主権通貨(ポジティブ・マネー)との違い

現代通貨理論と主権通貨(ポジティブ・マネー)との違い

さて今回は、最近話題になっている現代通貨理論(Modern Monetary Theory)と、私がこの連載または以前の連載「廣田裕之の社会的連帯経済ウォッチ」で取り上げてきたポジティブ・マネーの通貨改革(以下「主権通貨」)の間の違いについて、「主権通貨」という本を刊行しているドイツの研究者ヨーゼフ・フーバー氏のサイトの記事を参照しながら、紹介したい… [全文を読む]
一个人一支侦察队

一个人一支侦察队

1991年的寒春的尽头,我负笈东瀛留学。先做中日比较教育学的研究,数年后还是回到研究中国文革时期地下文学研究的主题。那些年走访了境内许多作家、学者。比如,当时成都大学讲师的王怡等朋友带我拜访西南诸省的老作家。我到贵州时,因写诗而前后坐牢十二年的黄翔夫妇已经流亡美利坚。于是,远赴美东,开始口述文学史记录。2003年,《黄翔的诗与诗想》出版(日本·思潮社)后,研究的视线更加关注地下文学的延长线上的流亡文学… [全文を読む]
清国に手を差し伸べたリンカーン

清国に手を差し伸べたリンカーン

合衆国の歴代大統領の中で人々に最も敬愛されているのは、第16代大統領アブラハム・リンカーンだ。当時、辺境(フロンティア)と呼ばれていたケッタッキー州の貧しい開拓農家の家庭に生まれ、苦学して弁護士となったリンカーンは1854年、奴隷制の拡大反対を党是とする共和党創設に参加。分離独立を宣言した南部十一州との戦い、「アメリカ市民戦争」という建国以来最大の国家分裂の危機の中で大統領に就任し… [全文を読む]
わたしのミッドライフクライシス──翻訳という仕事

わたしのミッドライフクライシス──翻訳という仕事

40歳を過ぎてフリーランス産業翻訳者になった。それは金融業界を離れたわたしの後半生のライフスタイルに合った仕事に思えた。現実問題としてそれは自分のスキルと社会のニーズが合致し、継続的に依頼が来た唯一の「プロ仕事」だったともいえる。翻訳は自宅にパソコンとネットさえあればできる。初期投資はほとんどない。基本、どこにいてもできる。その代わり生産性は低い。収入は前職から正味10分の1になった… [全文を読む]
カタルーニャにおける協同組合の伝統

カタルーニャにおける協同組合の伝統

4月5日(金)から7日(日)にかけて、スペイン・カタルーニャ州の州都バルセロナ市内で、来年開催される予定の変革型経済世界社会フォーラムに向けた準備会議が開催されました。準備会議とはいえ、48か国から350名が参加するという大規模なもので、有機農業/食糧主権、フェミニスト経済、コモンズと社会的連帯経済の4分野を取り上げ、数万人単位の来場が見込まれる来年5月の本会議に向けた議論が行われました… [全文を読む]
米建国神話の明暗とクーリー

米建国神話の明暗とクーリー

多様性を尊重する「移民大国」をアイデンティテイとして自負してきたアメリカは、共和党のドナルド・トランプが大統領に就任して以来国論が真二つに分断され、トランプは最近、憎悪を込めた口調で「もう移民はいらない」とまで広言している。この大統領には、白人至上主義の陰が色濃く付きまとう。徳川幕府がヨーロッパ船の来航を平戸と長崎に制限した同じころの1620年11月、北米東海岸のコッド岬に3本マストの商船「メイフラワー号」が到着した。イギリス南西部のプリマスを出港して大西洋横断の65日間の航海だ… [全文を読む]
すごい人の時代

すごい人の時代

世の中にはすごい人がいる。たとえば、桐島かれんさん。圧倒的な美貌、センスの良い服、旅行、インテリア、食事。円満で幸福な家庭と優雅な日常。それらを商品化し、40代後半で本格的に社会での活動を再開。「ハウスオブロータス」というライフスタイル・ブランドを育てた。今、ハウスオブロータスは青山の洋館風の路面店をはじめ、全国で6店舗を展開している。最初、海外で買い付けた安価な雑貨中心だった品揃えの中心は、徐々にブランド仕様のデザイン品や高単価の… [全文を読む]
資本主義と自由競争の違い

資本主義と自由競争の違い

さて今回は、ある意味で経済における根本的な問いかけをしたいと思います。私たちは資本主義という単語をよく使う割には、その本来の意味を踏まえていないことが少なくありません。ですので今回は、資本主義が何か再定義したうえで、その構造上の問題を検討してみることにしましょう。よく資本主義を単なる金儲けと誤解する人がいますが、これは違います。確かにアリストテレスが「政治学」で家庭の経営(現在でいうところの経済学・家政学)と金儲けの技術(現在でいうところの… [全文を読む]
クーリーはなぜ米国に来たのか

クーリーはなぜ米国に来たのか

ハリウッド映画『シャンハイ・ヌーン』(2000年作品)は、香港出身のジャッキーチェンがテキサス出身のオーウェン・ウィルソンと共演した西部劇アクション映画だ。清王朝の王女が誘拐され、近衛兵のジャッキーがカリフォルニア州の東隣り、ネヴァダ州の州都カーソン・シティ目指して身代金を運び、王女救出を目指すという荒唐無稽な筋立ての映画である。間抜けでお人よしの列車強盗を演じるウィルソンとジャッキーのやり取り… [全文を読む]
シンガポール讃④──相続税がない世界

シンガポール讃④──相続税がない世界

1月に訪れたシンガポール。ビジネスと商業の中心街のエスプラナードで久しぶりに現地の女友達のケイト(中華系、仮名)とペナン料理バイキングを食べた。よもやま話のなかで、彼女の父親が長寿を全うして亡くなったという話になった。ケイトは9人兄弟の末っ子だ。日本の相続は長子相続の伝統に兄弟姉妹平等の戦後民法が覆いかぶさり複雑だ。一方、中国にはもともと長男が家督を継ぐという考えがなく、兄弟の均等相続の… [全文を読む]
ベルナルド・リエター氏を偲んで

ベルナルド・リエター氏を偲んで

今回は、残念ながら訃報をお届けしなければなりません。補完通貨(地域通貨)の分野で世界の第一人者であり、来日経験も豊富で世界各地で講演を行っており、著書のうち2冊が邦訳されるほどだったベルギー出身のベルナルド・リエター氏が、2月4日にドイツで亡くなられました(7日に77歳の誕生日を迎えるところだった)。個人的に私が故人にかなりお世話になっていたこともあり、今回は通貨制度の改革を通じてより持続可能な… [全文を読む]